2020年2月23日
発売30周年おめでとうございます!!!!!
世間ではドラえもん生誕50周年を盛大に盛り上げていますが、あと20年ほどするとファミコンソフト・キテレツ大百科も生誕50周年を迎えることになります。
日本中のFの民たちが、この記念すべき日を祝うこと、今から楽しみでなりませんね。
というわけで、今回はファミコン版「キテレツ大百科」の溢れる(溢れ過ぎた)魅力をご紹介してまいりたいと思います。
キテレツ大百科とは
「キテレツ大百科」といえば言わずと知れた藤子・F・不二雄先生の作品です。
原作の方はそんなに言わずと知れてない気がしますが、主人公であるキテレツ君の良心が時としてぶっ壊れるので、時に良心無視ムーブをかましたりするところが魅力の作品です。
金魚に人間並みの電子頭脳と声帯を着けて喋れるようにするくだりなんて最高。
アニメとしてのキテレツ大百科は、有名な発明家の子孫である主人公キテレツが受け継いだ発明の力で色々と騒動やら冒険やらを繰り広げていく、見ていて安心できるコメディでした。
「ファーストキスの際に男児たるものが涙を見せて良いものだろうか」という、男であることの矜持と猛烈な感動との板ばさみになる1人の少年を歌ったテーマソングもまた、いまだ愛され続けています。
さて、そんなお茶の間のアイドルキテレツは、ファミリーコンピュータでどんな大冒険をするのでしょうか。きっとドキドキするような大冒険が待っているのでしょう。そんな期待をして若かりし頃の私はファミコン版「キテレツ大百科」を入手しました。
しかし待っていたのは、別の意味でドキドキさせられる作品でした。
役に立たない仲間たち
まず、キテレツは他人の夢に入って遊ぶため「ゆめみきょう」なるアイテムを作り出します。いいでしょう。のび太だって眠っている状態の友人達をリビングデッドの如く呼び出して服従させたことがあります。いかにお茶の間のアイドルでも、それぐらいはするでしょう。
そこへトンガリとブタゴリラがやってきて、「ゆめみきょう」が暴走し、キテレツ達が悪夢の世界に閉じ込められるところから物語は始まります。
いいですね。大長編ドラえもんっぽい展開ですね。
個性豊かなゲストキャラとともに大冒険を繰り広げ、強大な敵を倒しに行くのですね。わかります。
なのですが、このゲーム、
味方といえるキャラは「キテレツ斎様」のみです。
というのも、味方キャラと称してついてくる「コロ助」と「みよちゃん」はさながらシューティングゲームの子機の如くに援護攻撃をするわけでもなく、ただキテレツの数歩後をついてくるだけだからです。
…ついてくるだけならどんなに良かったか。
実際彼らがついてくることによって強力なデメリットが生じます。
・彼らに攻撃が当たるとキテレツのライフが減ります。
・彼らが谷底に落ちるとキテレツも死にます。
・キテレツが谷底を渡りきったのに、みよちゃんとコロ助だけ落下することがあります。
なので、このゲームにおいて味方と言ってよいのは最終ステージにおいて「いいものをやろう!それは勇気じゃ!」と言って子孫(小学生)にライトサーベルのような武器を握らせる「キテレツ斎様」のみなのです。
なお、セレクトボタンを押すと自機であるキテレツのところに仲間がワープするようになっていて、前述の「仲間だけ落ちる」のを防げるようになっていました。
※インターネットがまぁまぁ普及したあとの2005年頃まで気付きませんでした
サブキャラに殺意を抱きかねないシステムを作る時点でキャラゲーとしては何かがおかしいのですが、次に進みましょう。
じごくをクリエイト
キテレツ大百科といえば発明。発明といえばキテレツ大百科。このゲームでもそれは再現されています。
コインを取ることで発明力が溜まり、それを使って発明を行うのです。
ちなみにコインが足りないと発明が出来ません。
状況によっては先に進めず死にます。
資金が足りず何もできない=死です。
さて、キテレツが最初に作ることになる発明は「キテレツじごく」です。
キテレツが一定量以上のダメージを受け、死亡するとライフを貸し出してくれる悪魔とも鬼ともつかないキャラが支配する地獄っぽい場所を生成します。
この鬼、ライフをきちんと返したり借りていなかったりすると丁寧な口調でコンテニュー用のパスワードを教えてくれますが、ライフを借りている状態では厳しい口調で催促をしてきます。もちろん何も教えちゃくれません。
返すものを返さない=死です。
※原作におけるキテレツじごくは「悪いことをしづらくなるように地下に作ったオリジナルの地獄」で、鬼やエンマ大王はコロ助同様ロボットでした。
ライフを貸してくれる要素は特になかったので、ファミコン版ではガチの悪魔と契約していた可能性が濃厚ですね。
キテレツが悪魔と契約を交わしたあとは割と普通の発明が続きます。
・家の中で何故か巨大化してしまい身動きが取れなくなっているみよちゃんを助け出すためのスモールライトっぽい奴
・水中面に進むため、水中でも呼吸できるようになるクリーム
・コロ助を助け出すためのねんりきぼうし
キテレツっぽくなってきました。でも最初が最初なので素直に楽しめません。
全体的に高い難易度とサイケな風景
さて、発明は普通になっていきますが、背景がどんどん普通じゃなくなっていきます。
そもそもこの世界は悪夢の世界。背景もそれなりに悪夢な感じで続きます。
クリアするまで全部悪夢の世界。
もうこのゲーム自体が悪夢です。
さらに追い討ちをかけるように、面がどんどん難しくなっていきます。
落ちると1階まで戻されるトラップ、明らかに避けられない敵、地獄のコンテニュー不可など多くの難所がプレイヤーを苦しめ続けます。もう悪夢を見ているのは自分であるかのような気さえしてきます。
ちなみに、私はクリアできるようになるまで14年かかりました。
この項目だけ内容が薄いのも「後半までたどり着くのがそもそも難しくて、プレイの思い出が前半ばっかりになってる」からです。
最後に
簡単にこのゲームについてまとめましょう。
悪夢の中を金と手に付けた職で突き進んでいくものの、
時に金貸しに手を出し、
返せずに悪魔に追われ、
ボロボロになりながら家族を養い、
何度も挫折を味わいながら戦い抜いていくゲーム。
でした。
SwitchOnlineで配信される日をずっと待っています。
※12年ぐらい前に他のブログで書いた記事をリメイクしたものです。